構成要素-引き算=アイデア!!

<アイデアを生み出す上での引き算>

アイデアを生み出す上で、この「引き算」(省略、除去)の手法は大変有名です。

例えば、こんなケースをあなたは一度や二度、どこかで見たことがあるのではないでしょうか。

しかし、これらの多くは、あくまで差別化の一要因を切り取った理論の文脈として語られることが多いのです。また、アイデアを出すために、専用のワークシート等を用いる必要があるものもあります。(SCAMPER法などが好例です。)

大事なのは結局のところ、いかにしてこのような引き算を日常的に行うことができるか、なのです。



<誰でもできる『引き算』のプロセス>

ということで、できるだけ簡略化した引き算を駆使した発想法のプロセスは、下記の通りです。

たった3つのこのプロセスは、多くのヒット商品を生み出す源泉になります。そして、それ以上に、多くのアイデアをひらめく一つの大きなプロセスになるのです。


<引き算で生まれたヒット商品>

今でも昔<引き算で生まれたヒット商品>も、洗濯洗剤というのはコモディティー化してしまっており、大きなイノベーションを起こすのが困難だと思われてきました。洗剤にとって最も大事なことh、今も昔も「いかに汚れを効果的に落とせるか」という点に終始しているケースが多いのです。これは、多くの洗剤のCMを見てみれば明らかですね。

このようにして、そもそも「汚れを落とさない」洗濯洗剤が誕生しました。

この考え方に基づいた、今はおなじみの有名な商品がこちらです。


<実際にアイデアを考えてみる>

それでは、実際にアイデアを考えてみましょう。

今回は、コカコーラについて考えてみようと思いますが、ここで、アイデア発想の際に重油な点を再度確認しておきます。

それは、アイデアを出すときは、「すべてのアイデアが素晴らしいとおもって考える」ことです。

アイデアを考えるときによくあるのは、(それがブレインストーミングだろうが)「こんなアイデアを出したらばかげている」と思われて、せっかくの宝の原石をそっと心にしまってしまうことです。

そうならないように、まずは、アイデアを考えるときには自分ひとりで考えることを推奨しています。なぜなら、誰かに話すことを前提としなければ、結構馬鹿げたアイデアも恐れずに出せるようになるためです。


早速コカコーラを分解してみましょう。

私は専門家ではないので、コカコーラの成分として、どのような製品がどのような味を生み出しているのかが分かりません。なので、見た目や味などの、大変大衆的目線から考えてみたいと思います。

皆さんも少し考えてみてください。コカコーラの構成要素はどのようなものでしょうか?


コカコーラの構成要素ですが、自分が考えたのは下記のようになりました。

内面(味)

・炭酸水

・甘味料

外面

・ロゴ(ブランド)

・赤いパッケージ

・黒い飲料


さて、この中から何かを実際に「引いて」見ますが、ここでは構成要素の中でも、「欠かせない要素」を順番に引いてみます。大事なのは、全くイメージができない場合はそれ以上続け、イメージが浮かんだ場合は(それが粗悪であったとしても)ステップを続けます。


例えば、コカコーラから炭酸水を抜いてみるとどうなるか?

中身がただの甘味料になります。これはどのようなメリットがあるでしょうか?

例えば、甘味料をパウダー状にして、自分でコーラを作れるようにすれば、「味は好きだけどコカコーラ自体は炭酸が強すぎて飲めない」という人たちが、パウダーコーラを購入するかもしれません。あるいは、これまでにないような調味料になるかもしれません。

この場合の代替物は、前者が「自宅にある水(炭酸水)」であり、後者は代替の必要のない、新たなイノベーションですね。


それでは、コカコーラから甘味料を抜くとどうなるか?

「コカコーラ」という名前を冠した炭酸水になります。炭酸水自体は多くのメーカーが出していますので、これ単体では大きなアイデアになるかどうかは難しいですね。ただし、ブランド力を生かした核としたマーケティング戦略を行えるのであれば、面白そうです。


ロゴ(ブランド)やパッケージはどうでしょうか?

残念ながら、これらを引き算すると、そもそもコカコーラという「ブランド」でなくなりますから、これらを引き算することは無理でしょう。(もちろん、コカコーラと同様の味を心機一転させ、同じ味の飲み物を新しいブランドとしてリメイクする、ということならありえるかもしれません。)

それでは、「黒い」飲料でない飲料にしたらどうでしょうか?

つまり、色がない、無色透明のコカコーラです。このようなコーラに、メリットがあるのでしょうか。

コーラが黒いことによる大きなデメリットは、それが目立つことです。つまり、コカコーラを飲んでいることは、必然的に多くの人間にとって「あいつはコーラを飲んでいる」ことを認識されます。

例えば、健康に気を遣っていることを周囲に伝えている人が、たまに炭酸を飲みたいときに、一目を気にせずにコーラを飲める幸せを手にれられるかもしれません。

また、既存のコーラよりも、見た目の「毒々しさ」がなくなり、手に取ってもらいやすくなると思います。


このように、ただただ引き算を行うだけでも、様々な「粗悪」なアイデアは出来上がります。

ここから、どのようなアイデアがよいのか、具体的に戦略を立てる段階になって初めて、マーケティングに価値があるのです。



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